解説例 第4章 勤務 第4節 休暇・休業(年次有給休暇A案)

3.前年度の出勤率が8割に満たなかった社員については、付与日に新たな年次有給休暇を付与しない。出勤率が基準に満たなかった社員がその翌年度に出勤率の基準を満たしたときは、その直後の付与日現在での勤続年数に相当する年次有給休暇を付与する。
4.年次有給休暇により休業した期間については、その取得した日に通常の所定勤務時間労働した場合支給されるすべての賃金を支払う。 コメント 一般的な年次有給休暇取得の際の賃金の支払い規定です。ただし、時給制で毎日の所定労働時間が異なるような勤務形態の社員には労働基準法の「平均賃金」を支給するケースもあります。
5.年次有給休暇は次年度に限り繰り越すことができる。
6.社員は、年次有給休暇を取得するときは、原則あらかじめ所定の届出に期間を記入し、1週間前までに所属長に申し出しなければならない。ただしやむを得ない事由がある場合は前日までに申し出ることとする。 コメント 年次有給休暇申請期限のルール化をお勧めします。第7項の年次有給休暇取得の時季変更権の行使が可能な程度の申請期限を設けることは問題ありません。
ただし、申請期限を守らなかったからと言って、年次有給休暇の取得を拒めませんので注意ください。
7.会社は、請求された時季に年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季に変更させることがある。
8.会社は、社員の過半数代表者と労使協定を締結した場合には、年次有給休暇のうち5日を超える日数について計画的に取得させることがある。
9.有給休暇に半休制度を設ける。半休は、半日単位とし0.5日としてカウントし、時間単位での取得は行わない。午前半休と午後半休を原則、次の勤務時間で区分する。 コメント 半休取得を取得する日の始業・終業時刻が不明確なケースがあるので、就業規則に明記するとよいでしょう。
仮に休憩時間等の関係で、午前半休取得の際の勤務時間と午後半休取得の際の勤務時間が異なっても、それを会社の半休制度とすることは問題ありません。
 ①午前半休 当該取得日の始業時間から1日の所定労働時間の1/2が経過するまでの時間。
 ②午後半休 当該取得日の1日の所定老荘時間の1/2が経過した時間から終業時間までの間の時間
10. 半休を請求しようとするものは、2日前までに会社または管理者に届け出なければならない。半休2日で有給休暇1日取得とみなす。
11.未消化分を含め、年次有給休暇の買取りは行わない。

就業規則一般業種マスター版より抜粋